大安が吉日なのか?

東が守備、南が伝達、西が攻撃、中央が引力、北が学習本能。東野場所が先勝(せんしょう、さきがち)。西が先負(せんぷ、さきまけ、せんまけ)。中央が友引。南が赤口(しゃっこう、じゃっく、しゃっく)。北が仏滅。天上が大安(たいあん、だいあん)。
先勝は、太陽が昇る方角ですから午前中がよく、午後はよくないということです。ものごとは午前中に、午後はダメというのが先勝。守りの場所ですから、先手必勝ではないけれど、守るためには先に何か準備してくださいということです。
 反対の先負は、太陽が沈む場所ですから午後。午前中より午後に何かをしてくださいということ。先勝、先負から考えますと、人に攻撃をしなければいけないというときは先負の日からスタートする、ただし午後から。攻撃には先負の日がいいとされています。
何か守りたい、たとえば裁判か何かで守らなければいけないときは、先勝の午前がいいとされています。
 中央は友引で、お葬式をやってはいけないといわれています。友引がいい悪いではなく、引力だということです。友引の日に何かをすると、自分にみんなを引き寄せるというのがあります。芸能人のお披露目など、友引がいいのは自分に人気を集めるということです。
お葬式を友引にしますと、寂しいからみんな連れていってしまうので、友引は避けようといっていますが、本来の意味は、いい悪いを含めて引力だということです。入院も友引にしますと、付いていった人もそのまま入院してしまうかもわかりませんので、こういうこともちょっと考えて下さい。
赤口が南側にあります。伝達本能と、未来が輝くという意味がありますが、これを一番嫌っているのは大工さん、建築業の方です。南側ということと、赤いという字から血液をイメージして、もしかしたら血がでるのではないかということで、建築関係の建前その他では赤口はすかれていません。
 北方は仏滅です。北枕というのがありましたが、何かが終わってしまうということです。仏滅に結婚式をしますと、せっかくスタートしたのに、終わりを基準に考えたスタートということで縁起が浴ないといわれています。ものごとの終わりですから。ものごとの終わりは仏滅でもかまわないということです。
 天上が大安。大安というのはすべてに対して超越して、天野神さまにいちばん近いということで、このときに何かをスタートしたら天の助けがありますという意味が含められています。

 これは、迷信ですかという質問に対しては、迷信ですという答えを用意しています。室町時代から始まって、江戸中期ぐらいから非常に盛んになりました。もともと細かい意味合いがなくて、月火水木金という曜日の程度の意味だったのです。
これがだんだん定着し始めたのは、江戸時代になって当時のバクチ打ちたちが、縁起担ぎのために始めたのがスタートでした。ただ、それから非常に庶民的に伝わってきて、昔は暦がしっかりしていませんけど、順番をいくと結婚式は大安がいいと決めていきますと、お葬式するにも、結婚式するにも農耕民族ですから毎日働いていますが、この日はめでたい日で、集中的にとっておこうとかいうことで、生活リズムの中に入ってきて定着しました、
わたしは今、迷信と申しましたが、これ程ながく歴史を経てきていると、迷信とはいえども無視しないで下さい。仏滅に結婚式をあげると、参加社の半分くらいは「エッ。仏滅に結婚式をあげたの?」とイメージが湧きます。みんなの意識に入っているイメージというものが、その日何かをするとそこにイメージとして定着します。迷信でスタートしたものも歴史を経てくると、無視できないものがあるということで、大いに活用していただきたいと思います。
戦いには先負、守りには先勝と蒸しましたが、裁判などでこちらから訴状送りつけてものごとをスター都させることを参考にして頂きたいと思います。

先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順めぐりの意味
順番がどうなっているかです。先勝から友引に横線をいって、攻撃本能の先負に行く。まず横線を走らせます。今度は北の仏滅、友引はすでに使っていますから、天上の大安に上がって、南野伝達、赤口へ降りてくる。横線をいき、縦線を降りてきて、また横線の先勝に戻る。
こういう順番にきているわけです。


中村嘉男氏(算命学総本校 高尾学館学校長)講演より
於:2001年7月18日 ホテル日航プリンセス京都